一般社団法人 大阪府技術協会

大阪府立産業技術総合研究所本館

当協会は、昭和29年11月に大阪府立産業技術総合研究所の前身である大阪府立工業奨励館の後援団体として松下幸之助氏をはじめとする大阪の財界人が発起人となり、大阪府下工業界の技術の向上を図り大阪産業の振興に寄与するため設立され現在に至っています。

 
戦後の復興期から、経済の高度成長期、バブル崩壊期などを経て現在までの間、大阪府下における工業生産事業関係者及びその関連者の施設並びに技術の改良に資することにより、産業の振興を図る使命を果たすべく活動を続けてまいりました。

 今後とも、会員企業の技術力の向上と研究開発の促進、研究成果の有効活用を図るため、会員のニーズを把握しながら、実効性のある事業の積極的な展開を図ってまいります。

 

会長からのご挨拶

  平成26年度定時総会において、会長に就任いたしました()岡野製作所の岡野忠弘です。
当協会の設置目的、産業技術の向上が日本経済の支柱となる中で協会の発展と府下産業の振興に微力ながら尽くしてまいる所存でございます。
小林百太郎
前会長同様 格別のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。

技術協会オンラインオフィス開設のお知らせ

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新規会員の紹介
  
朝日熱処理工業 株式会社


セミナー・会議等の開催

2020センシング技術応用セミナー
  ~いよいよ実用化段階!~AIを用いた応用技術の動向と展望
   ●案内チラシ セミナー概要(PDFファイル)  ●申込書(Wordファイル)
  日時:2020年10月15日(木) 10:00~16:45
  会場:大阪産業創造館 6階 会議室E (大阪市中央区本町1丁目4-5)

     URLhttps://www.sansokan.jp/map/
    アクセス:大阪地下鉄「堺筋本町」下車徒歩10分
     ※ご利用にかかる留意事項
  ※オンラインでのご参加も可能です。申込時に必ずメールアドレスをご記入下さい。


会員企業様探訪記

工場見学「㈱因幡電機製作所」様

所在地 大阪府羽曳野市西浦976
事業内容 配電盤・分電盤・制御盤ならびにLED道路灯、景観照明器具、仮設照明器具や街路灯ポールなどの開発・製造・販売


師走の2019年12月19日(木)に見学者総数12名で訪問しました。あいにくの曇り空で、寒い日でした。師走ということもあり、参加者が少し少なかったことは残念でした。

株式会社 因幡電機製作所 羽曳野工場 様は、2019年の7月に世界文化遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群における古市古墳群の近くに位置し、電気仕掛けの社会を動かす心臓部ともいえる配電盤・分電盤・制御盤ならびにLED道路灯、景観照明器具、仮設照明器具や街路灯ポールなどの開発・製造を行っています。

同社は、1962年の設立以来、人々の生活に欠かせない電気を安心な「でんき」とやさしい「あかり」 に変えて提供することを使命とされ、最近では、太陽光・風力発電と照明を組み合わせた「風あかり」など、「でんき」=供給と「あかり」=消費の両面を知っているメリットを活かした事業を展開しています。また、より多くの人々の生活が豊かになることを使命に、社員一人一人がプロフェッショナルとしての自覚をもち、電設資材を中心とした社会インフラシステムを提供することで、人々の暮らしと経済活動に貢献されています。

最初に、当協会の岡野会長の挨拶の後、同社の斉参事 様から、会社概要ならびに製造されている製品の詳細な説明、製品の納入事例の紹介をいただきました。

同社の信条は、
1.製品、サービスを通じて社会に貢献する
2.技術、製品、経営、市場の創造に努める
3.全社員がこぞって経営に参加する
4.良き社会人の集団としてその繁栄を誓う
で、それを全社員が常に心掛けて、業務を行っ
ているとのことでした。

同社は、東西2拠点で全国をカバーされており、電気の配電事業と明かりの照明事業の2事業を展開しています。配電事業部では、発電所で造られた電気を我々の手元に届ける必要不可欠の配電制御システムのキュービクル(配電盤)、分電盤、制御盤について、大きさ、形状等を顧客の要望に応じて作製する特注品(カスタム製品)を製造して納入するとのことでした。

高い電圧が流れる配電盤は、保守点検が危険なため、その危険性を軽減でき、安全に保守点検できるように、扉を開けずに中の配線が確認でき、保守点検できる「S.K.Y(スカイ)配電盤」、「I Looking配電盤」、また、分電盤は、配線をねじで止めずに速結接続(プラグイン)できるようにし、施行者の省力化、効率化を実現され、ネーミングも施行者の手間が少し省ける「ちょいらく分電盤」など、とてもユニークでした。そのような配電盤につきましては、特許等を取得されています。配電盤や分電盤は、通常、一般の人々の目にはつきませんが、電鉄会社を始め、水族館、デパート、テーマパーク、ショッピングモールなどの納入事例が紹介されました。 

照明事業部では、屋外用照明器具とそれを取り付ける照明柱を製作しています。照明器具のLED化に伴って、その放熱化や取り付け方法が問題となっており、それらを解決するために、器具の設計開発に熱流動解析、光学設計ソフトや樹脂積層3Dプリンターを活用しておられます。



また、照明実験棟では、開発した照明器具の配光測定や防水試験などは、自社で行い、自社では困難な試験である振動試験、高温・高湿試験、電磁波ノイズ試験や輻射ノイズ試験については、近くに大阪産業技術研究所があるので、そちらを有効に利用し、安全で、安心な製品づくりを進めているとのことでした。製品として、LED道路灯シリーズは「LEDIX WAY」、公園や広場に使用するシリーズは「LEDIX PARK」、太陽光と風力で充電し、環境にやさしいハイブリットソーラー街路灯は「風あかり」、工事現場で使用するシリーズは「Rabbinet」の名称でブランド展開しており、それらの特徴について説明されました。
ブランド展開している照明機器は、それぞれの用途に応じて、電鉄会社の駅舎を始め、高速道路、国道、大型ショッピングモール、公園、商業施設、駐車場など多岐にわたって納入されていることが紹介されました。そのほか、工事現場やトンネル地下道照明などにも採用されています。



その後、分電盤、配電盤等を製造している配電事業部、屋外照明器具等を製造している照明事業部、照明実験棟、板金工場を見学しました。ご説明のありました製品を実際に身近で見学すると、製品はお客様のご要望を取り入れて製作されており、ネーミングの意味が実感できました。つまり工夫の固まりのようです。中小企業における製品開発の原点を見たきがしました。

見学終了後、川口会長 様からあらためて配電盤、分電盤、制御盤の違いについてのご説明をいただき、活発な質疑応答がなされました。

配電盤等は見る機会がほとんどありませんが、照明の方は目につきますので、ご紹介のありました電鉄会社の駅舎や高速道路の照明に目が行くようになりました。

詳細なご説明とともに、工場見学をさせていただき、「でんき」=供給と「あかり」=消費の両面を知って、作業者や消費者の立場に立った「ものづくり」への取り組みは、参加者一同、大変参考になりました。

ありがとうございました。


 
  古市古墳群にある応神天皇陵古墳



工場見学「㈱電業」様

所在地 東大阪市高井田中2丁目5-25
事業内容 鉄道用電車線金具(鉄道電化用の架線を支持・吊下するための金具・装置)等の製造・販売


2018119日(金)に見学者総数20名で訪問しました。朝から雨でしたが、集合時間ごろには、雨もあがっており、ほっとしました。しかし、見学会終了時には、また雨が降っており、傘を差しての帰宅となりました。


株式会社 電業 様は、2019年にラグビーワールドカップの会場となる花園ラグビー場を擁する「ラグビーのまち」また日本有数の中小企業の集積地で「ものづくりのまち」として知られる東大阪市の西に位置し、鉄道用電車線金具の総合・専門メーカーです。

昭和42年に布施市、河内市、枚岡市の3市が合併して、東大阪市になる前は、布施市のほぼ中央に位置していました。

                  

同社は1919年(大正8年)の創業以来、電車線金具等の鉄道用電車線機器に関わってこられ、鉄道用電車線機器の総合・専門メーカとして設計・製造・試験・販売に至る一貫した生産を行っています。
また、同社は、鉄道用電車線機器の専業・総合メーカーに徹することを基本的なポリシ-とされ、創業以来の「架線金具は電車に命を与えるもの」という理念の基、「ものづくり」に取り組んでおられます。
架線を支える各種金具等を作って、創業100周年を迎えていますが、創業以来、全国の都市交通・民営鉄道への製品の納入を始め、JRの電化計画にも係わり、特に新幹線建設には新しい金具を開発し、その多くが採用されています。同社の製品は、日本および世界における鉄道の安全・安定輸送に欠かせないものとなっています。

最初に、濵谷社長 様からご挨拶の後、会社概要のご説明をいただきました。当社のような鉄道用電車線機器の総合・専門メーカーは、わが国には関西に1社(当社)と関東に1社の2社しかなく、阪神・淡路大震災の際は、部品の供給を行ってもらい、東日本大震災の際は、当社から部品の供給を行うなど、競合会社ではあるが、相互扶助の関係にあることが話された。
また、鉄道用電車線機器は、多品種・少量生産なので、オートメーションでの「ものづくり」はできないことが悩みの種とのことであった。
さらに、当社においても、人材不足の悩みがあり、還暦迎えの従業員は25%を超えている。しかし、技術の伝承も不可欠と考え、鋳物の技術を伝承するために、あえて一部で旧態依然とした手作業の砂型鋳物を行っている。職人の技術を心得ていれば、どんなトラブルにも対応できるので、この作業は若い従業員にもさせているという。

    
                                

その後2班に分かれて、鋳造工場、機械工場、鉄鋼工場など電車線金具
の製造工程を見学しました。
電車を安全・安定に走らせるために、電車本体だけでなく、非常に多くの部品があることには驚きました。同社が製作する電車線金具のアイテムは、細分化すると12,000にもなるそうです。
   

             

鋳造工場では、鋳造作業において、作業員の負担を減らすために「楽々アーム」というものが採用されていました。これまでは、作業員が、ひしゃくに必要量の金属をくみ取り手作業で注いでいた負担が減ります。機械工場では、製品の曲げ加工において、ハンマーで曲率を一定にする職人技に感心しました。

            

見学終了後、活発な質疑応答がなされました。

         

詳細なご説明とともに、工場見学をさせていただき、いずれの大手企業の系列にも属さず、独自の技術・生産設備を有し、施主(鉄道事業者)様と直結した「ものづくり」への取り組みは、参加者一同、大変参考になりました。

後日、電車に乗るたびに、架線を見上げ、電業さんが作っておられる電車線金具に目が行くようになりました。


                ありがとうございました。
 

               

  工場見学「帝国チャック㈱」様


 

所在地 八尾市北久宝寺2-1-50
業種 一般機械器具製造
    チャックの製造専業メーカー

2017年928日(木)に見学者総数14名で訪問しました。
朝から、局所的な大雨に見舞われましたが、見学会の開始時間の頃には、雨もあがり、ほっとしました。

 

帝国チャック 株式会社 様は久宝寺御坊(顕証寺)の少し北に位置し、チャックの専業メーカーです。


チャックとは 工作物保持機器Work Holding Deviceの一つで、主に旋盤(工作機械)主軸に取付けて、ワーク(工作物)を強い力で精度良く把握、盤主軸の旋回をワークに伝えると同時に、ワークの加工中も把握姿勢を保つ機能を持つ機器、簡単に言えば切削加工時にワークを正しくしっかりと掴んでくれる機器です。チャックにはワークの形状や使用条件に応じて様々な種類のものがあります。
帝国チャック 株式会社 様
は、お客様時に問題になる様々な難しい把握条件に応えるオーダーメイドチャックをメインに造っておられる会社です。
同社は、1926年(大正15年)日本のチャックメーカーとして創業し、スクロールチャックの草分けとして国産化を果され、1969年(昭和44年)には業界初の自動車部品量産加工用のデザインチャックを開発されました。現在では、国内No.1の品揃いとシェアを持ち、常に時代をリードした「モノ造り」にチャレンジされています。今年で創業92年目、創業100年に向かって更なる発展を続けておられます
  


最初に、寺坂会長 様のご挨拶の後、会社概要および製品説明を頂きました。製品説明で、どこかのCMにもよく似た言葉がありますが、「Chucking Your HEART」の言葉が印象的でした。



その後2班に分かれて、チャックの製造工程を見学しました。チャックは多くの部品の組み合わせから構成されていますが、それぞれの部品は、設計図に合わせた最適なプログラミングにより、NC旋盤、マシニングセンター、5軸加工機などで自動的に加工され、組み立てられていました。
しかし、部品のバリ取りや面取り、最終の仕上がり確認など、手作業で行う工程も多くあり、そのようなところに、同社の『「匠魂」、「匠」を磨き「達人」を極める』が活かされ、他の追従を許さない「モノ造り」を支えていると感じました


最近では、自動車部品などの軽量化により、肉厚の薄いものやアルミニウム、樹脂のように変形しやすい素材を厳しい条件で加工するためのチャックが求められるので、部品をどのようにつかむ(チャックする)かが難しくなっているそうです。

チャックと言えば、学生時代の実習で使用した旋盤における三つ爪のチャックしか思い浮かばなかったのですが、「匠魂」で顧客の要望に応えられ、オーダーメイドで 多種類のチャックを製作されていることには驚きました。
材料置き場では、材料が材質ごとに色分けされて置かれており、端材にまできちっと色分けされていました。材質を間違えれば、熱処理条件が変わるし、
当然、強度も変化するので、材質管理が重要ですとのことでした。

「デザインチャック一台で自動車が買えますよ」とのご説明にも製作工程を見学させて頂いて納得できました。

新人教育として、56年の経験者を付けてマンツーマンでジョブトレーニングを行い、技術の伝承に努めているとのことでした。このことは、創業者である寺坂 清五郎 様の「モノ造り」の理念である“安売りする商品は作らない”すなわち、他の追随を許さない高度な「モノ造り」への思いを大切に継承されている表れだと実感しました。
詳細に工場見学をさせて頂き、創業者の寺坂 清五郎 様から受け継がれた、「モノ造り」にかけるチャレンジへの取り組みは、参加者一同、大変参考になりました。


    

ありがとうございました。

 最後になりましたが、同社の社是は以下の通りです。

 社是「魂 智 和」

  魂 魂「SOUL」は当社の象徴である
      真心のこもった製品を提供して社会に貢献しよう

智 智慧は創造の根源である
      全知識を結集して技術を開発練磨し幸福な職場を作り出そう

和 和は繁栄の基礎である
      愛と信とを両翼として希望のある人生を築こう

          


表彰のお知らせ 
     
     表彰関係をご覧ください


協賛・後援事業の案内 
                                          

件名:「最新ソフトウェアを活用した5軸加工の実践」

               <ORIST技術セミナー>(12/2) 
 
         デジタルものづくり総合セミナー2019  
 
           https://orist.jp/izumi/events/seminar/2019/12/02_digital_5jiku.html

◇日時:令和元年12月2日(月) 13:30~17:00
◇場所:大阪工業大学 梅田キャンパス OIT梅田タワー https://www.oit.ac.jp/rd/access/
◇定員:50名(先着順
◇費用:無料
◇申込:メール(gyoumu_seminar@tri-osaka.jp)またはFAX(0725-51-2520)にて
     お申し込みください。
◇問合:(地独)大阪産業技術研究所 業務推進部 TEL:0725-51-2512

《申込メールテンプレート》
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テーマ「最新ソフトウェアを活用した5軸加工の実践」(12/2)
  ・会社名:
  ・所在地:〒
  ・連絡先:電話          FAX           
       Email
  ・参加者:所属:         役職:         氏名:
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     一般社団法人 大阪府技術協会  
      
〒 594‐1157 
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