オクターブ分析器

 オクターブ分析器は、周波数分析器の1つです。音や振動の周波数分析を行う機器として、FFTアナライザとともに頻繁に利用されます。FFTアナライザが細かい周波数成分(スペクトル)の分析を行うのに対し、オクターブ分析器は、特定の帯域だけを通過させるフィルタを多数持っており、各フィルタ(バンド)を通過する音や振動の大きさを測定します。通常バンドの幅は、1オクターブか1/3オクターブを用います。

 一昔前のオクターブ分析器と違い、最近のオクターブ分析器はデジタル化がすすみ、リアルタイム分析と呼ばれるように、分析対象とする周波数範囲内の全バンドを同時に測定・表示することが可能です。

 人間の音や振動に対する感じ方は、オクターブ分析結果と非常に相関が高いと言われています。つまり、人間が介在した環境の音や振動の測定・評価を行う場合には、スペクトル分析よりも、オクターブ分析を行う方が適していると言えます。実際オクターブ分析器は、音質の評価や改善、環境音の分析などに多く用いられています。また、材料の吸音特性や遮音特性も、通常オクターブ分析器を用いて測定した1/3オクターブバンド分析結果で示されます。

 周波数分析器
 ⇒ 用語集を参照

 保有機器

 1/N・オクターブバンド・リアルタイム・アナライザー
メーカー RION (リオン株式会社)
型番 SA-28
形式 リアルタイム分析型
チャンネル数 2
入力レンジ 30〜3mVrms (+30〜-50dB)
ダイナミックレンジ 80dB
バンド幅 1/1、1/3、1/6、1/12、1/24オクターブバンド
周波数範囲 <リアルタイム測定>
1ch測定時 2ch測定時 バンド幅
0.4 〜 20  kHz 0.4 〜 10  kHz 1/1、1/3
0.4 〜 10  kHz 0.4 〜  5  kHz 1/6
0.4 〜  5  kHz 0.4 〜  2.5kHz 1/12
0.4 〜  2.5kHz 1/24
測定項目 1/Nオクターブリアルタイム分析
1/Nオクターブ非リアルタイム分析
1/Nオクターブリアルタイム/非リアルタイム複合分析
1/Nオクターブトランジェント分析
音響インテンシティーレベル
サーフェイスインテンシティーレベル
振動インテンシティーレベル
ヒルベルト変換によるエンベローブ値
クロススペクトル
周波数応答関数
備考 プリンタ内蔵
A特性、C特性アナログフィルタ内蔵

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