無響室


 機器貸与対象機器です。(項目:無響室)

 無響室は、音響測定を行うための特殊な空間を作り出した音響実験室の1つです。床や壁、天井に吸音性の高い材料を取りつけることにより、あらゆる方向からの反射音がないように設計されています。また、分厚い壁で周囲を囲うことにより、外部からの音の進入を遮断しています。

 無響室には(完全)無響室と半無響室の2種類があります。半無響室は通常床面のみ音が反射するような構造になっており、測定用途によって使い分けます。当研究所の無響室は完全無響室ですが、床面にベニヤ板を敷き詰めることにより、簡易の半無響室として利用することも可能です。

 無響室内では、測定対象となる音以外には存在しないので、測定対象物が持つ音のみを正確に測定することができます。機械の騒音測定や吸音・遮音効果の評価、スピーカやマイクなどの性能試験などを行うことができます。

 無響室の構造
 無響室は、その特殊な性能を実現するために、普通の部屋では考えられないようないくつかの構造を持っています。
 まず、外からの音の進入を防ぐために、外壁は分厚いコンクリートなどの重くて硬い材料で作られています。また窓などは通常設置されておらず、空調設備も間接的に空気が送りこまれるような工夫がされています。
 次に、内部での音の反射をなくすため、壁、天井、床面は吸音クサビと呼ばれる構造をしています。これは、グラスウールなどの多孔質吸音材料をクサビ形状に整形したもので、低音から高音までの幅広い周波数領域の音を効率よく吸収できるようになっています。

 音響実験室
 ⇒ 用語集を参照

 

 保有機器

 無響室
形式 完全無響室
寸法 内寸:幅3.6m×奥行4.8m×高3.9m
容積:67.4m3
無響室内平均暗騒音 15dB(A)以下 ※但し、室外騒音が90dB(A)の時、15.5dB(A)以下
暗振動 16dB (上下方向)
27dB (左右方向)
19dB (奥行方向)
逆自乗則特性 ±1.5dB (1/3 Oct.Band周波数が、500Hz以下の場合)
±1.0dB (1/3 Oct.Band周波数が、1k〜5kHzの場合)
±1.5dB (1/3 Oct.Band周波数が、6.3kHz以上の場合)
測定周波数 12.5〜10kHz
環境条件 温度20度、湿度65% 一定
付帯設備 ・3次元マイクロホン移動装置
天井下部に設置。これを用いて、室の中央に置いた騒音発生機器の周囲をマイクが移動して、騒音測定する。
・内部監視用ビデオカメラとモニタ
・外部との連絡用インターホン
備考 ・吸音クサビ
材質 :グラスウール
密度 :32kg/m3
楔長さ :600mm (3連)
楔先端カット幅 :50mm
繊維の太さ :平均約7μm
外被材 :コーデラン
音圧反射率 :0.08以下 (遮断周波数100Hz)

・その他
換気装置がないので、燃焼騒音は15分位しか測定できません。また,補助室がないので、配管が必要な装置の測定はできません。

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