金属表面処理科 金属分析分野


最終更新日 2016年8月2日

業務紹介 | 依頼試験 | 機器貸与 | 研究事例 | 技術報告 | メンバー

 製品へのクレーム・信頼性・安全性に不可欠な分析データ提供、複雑化、高度化する相談への対応業務紹介pdf
  
  金属分析分野では、企業における研究開発や品質管理、クレーム対策などの支援を行うために、金属材料の定性・定量分析、構造解析、表面分析の依頼試験、受託研究等を行っています。また、それらに関する指導・相談にも対応しています。 
  研究では分析分科会の分析技術共同研究の参加やプラズマ窒化処理などの表面改質を施した材料の表面分析や耐食性、摩擦・摩耗特性について検討を行っています。
  そのほか、日本鉄鋼連盟の標準試料認証値分析事業にも参加し、ものづくりに不可欠な標準試料の金属分析認証データを提供しています。


○オーステナイト系ステンレス鋼の腐食トラブル例
 SUS304の鋼材を使用していたはずが極めて短時間に腐食が発生するトラブルが起きました。磁性においては特にSUS304と差は認められませんでした。成分分析の結果、表1に示すようにNi、Crが少なくMnが多い鋼材が納入されていたことがわかりました。

1 トラブル品の分析値とJIS規格との比較  (mass%)

C

Si

Mn

P

S

Ni

Cr

トラブル品

0.10

0.50

10.0

0.050

0.005

0.50

5.0

SUS304(JIS)

0.08
以下

1.00
以下

2.00
以下

0.045
以下

0.040
以下

8.00
10.50

18.00
20.00

○亜鉛合金ダイカストの粒間腐食トラブル例
 亜鉛合金ダイカストは、湯流れ性、寸法精度、表面処理性に優れることから、薄肉部品に多く活用され、錠前、金具類、ケーシング、レバー、ノブなどに使用されています。近年、海外からの輸入製品において、粒間腐食によって数年後に破損するトラブルが発生しています。トラブル品の分析結果を表2に示します。 Pb、Cd、Sn の不純物元素が規格以上に含まれていることがわかります。粒間腐食と不純物元素量の関連性は大きく、組成異常が腐食要因と推定されます。粒間腐食トラブルを抑制するには、製品の強度測定だけでは不十分であり、組成分析を行って管理することが重要です。

 表2 粒間腐食トラブル品の不純物元素分析値とJIS規格 との比較 (mass%)

 

Pb

Cd

Sn

トラブル品

0.020

0.010

0.010

ZDC2(JIS)

0.005以下

0.004以下

0.003以下

 出典:大阪府立産業技術総合研究所、テクニカルシートNo12012、「金属分析の製品開発、トラブル品への適用事例」より

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●依頼試験 ・・金属の成分分析など

 各種製品や材料に使われている金属材の成分分析を行います。成分、含有量、試料の状態等に応じて、各種の発光分析、燃焼分析、分光分析など、材料成分等に応じた分析法を適用し、含有量を決定し、そのデータを提供しています。 また、蛍光X線分析による異物分析や材質推定、グロー放電発光分析による表面改質層や表面構造の解析(深さ分析)、X線回折なども対応しています。
 
 金属分析の実施例
  ・炭素鋼・低合金鋼の定量分析
・鋳鉄の定量分析、・高合金鋼・ステンレス鋼の定量分析
  ・銅合金の定量分析
  ・アルミニウム合金の定量分析
  ・亜鉛合金の定量分析
  ・ニッケル合金などの定量分析
  ・希土類磁石の定量分析など

主な依頼項目と手数料 (材質・試料状態に応じて試験法を選定しております)

番号 試験名 試験条件 金額 備考
A101 銅及び銅合金中の銅の定量 1 試料、1成分 8,200円 1 成分 増すごとに8,200 円加算
A102 その他の化学分析:一般的なもの(定性) 1 試料、1成分 6,100円 1 成分 増すごとに6,100 円加算
A103 その他の化学分析:一般的なもの(定量) 1 試料、1成分 8,100円 1 成分 増すごとに8,100 円加算
A303 スパーク放電発光分光分析 1 試料、5成分 7,900円 1 成分 増すごとに650 円加算
A316 ICP発光分析 1 試料、1成分 8,000円 1 成分 増すごとに8,000 円加算
A320 炭素、硫黄定量分析 1 試料、1成分 5,100円 1 成分 増すごとに5,100 円加算
A310 X線回折-測定 1 試料 6,600円
A311 X線回折-定性 1 試料 12,500円
A321 グロー放電発光分析 1 試料 12,800円
A304 蛍光X線分析(波長分散)元素指定 1 試料、1成分 6,200円 1 成分 増すごとに2,600 円加算
A305 蛍光X線分析(波長分散)全定性 1 試料 12,800円
O701 試料調製 1 試料、30分 2,500円 30 分 増すごとに2,500 円加算

※依頼分析の項目によっては、試料の郵送による依頼試験にも対応しております。
 (試料の種類、大き、や状況・測定項目や測定場所等により試験を受けできない場合がございます。担当にご相談ください)

各試験項目については依頼試験・開放機器検索画面でご確認下さい。
詳細は「顧客サービスセンター総合受付 (Tel.0725-51-2525)」にお問い合わせいただきますようお願いします。

【分析に活用する主要機器】
 スパーク放電発光分析(依頼試験)

  

炭素・硫黄分析装置(依頼試験)

  

 ICP発光分析装置(依頼試験)
  

原子吸光分光光度計

  


 波長分散型蛍光X線分析装置(依頼試験)
  

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●機器利用・・表面の深さ方向の分析
  グロー放電発光分析装置(機器利用・依頼試験)

   

番号 機器名 使用単位 金額 担当
A9238 グロー放電発光分析装置 1時間 4,600円 上田、斉藤

※装置使用にあたって、使い方の説明等の「指導料」を別途ご負担いただく機器があります。
※また、受託研究、依頼試験にも対応している機器もございますので、担当までご相談ください。
各貸与機器については依頼試験・開放機器検索画面でご確認下さい。
詳細は「顧客サービスセンター総合受付 (Tel.0725-51-2525)」にお問い合わせいただきますようお願いします。

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  ●高純度鉄中微量含有成分の高精度分析法の検討
  ●ランタノイド系希土類金属の高精度分析法の検討
  ●鋳鉄の発光分光分析における精度向上に関する研究
  ●プラズマ処理における雰囲気ポテンシャルの最適化
  ●ステンレス溶射皮膜におけるS相の耐腐食性の改善と硬化機構の解明
  ●溶融金属と母材の異種金属接合に関する研究、
  ●ステンレス鋼の分析
  ●アルミニウム合金の分析
  ●企業との共同研究、受託研究、基盤研究などを実施

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テクニカルシート

番号 タイトル(PDFファイル)
 15007  ICP発光分析法による金属分析における分光干渉と定量分析の注意点
14017   高Siアルミニウム合金のICP 発光分析 − 多元素同時定量分析のための前処理方法 −
 14004  マルチ型ICP発光分析装置の有効活用と注意
14002 グロー放電発光分析装置
13003 金属分析の基礎 材料による分析法の選択と分析フロー
12012 金属分析の製品開発、トラブル品への適用事例
10013 ネオジム磁石の成分分析
10005 波長分散型蛍光X線分析装置
09011 オーステナイトステンレス鋼の低温プラズマ窒化・浸炭処理
07016 鉄鋼材料中のボロンの高精度分析
06003 オーステナイト系ステンレス鋼の低温プラズマ窒化と浸炭の複合処理
04003 アークイオンプレーティング法によるCrN皮膜中のドロップレットの形態
03020 金属錯体を利用した放電加工法
02012 燃焼合成法によるステンレス鋼へのNi-Al系金属間化合物コーティング
01007 発光分光分析法
99039 SIMSによる薄膜の分析
99031 流動層によるオーステナイト球状黒鉛鋳鉄のホウ化処理
98031 グロー放電発光分析の活用事例
98007 チタンの放電加工による表面改質

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 研究所報告(技術報告、技術論文)

所報 タイトル(PDFファイル)
No.29 ステンレス鋼に対する低温プラズマ浸炭処理における耐食異常層の抑制
No.27 SUS316L溶射皮膜の低温プラズマ処理
No.26 金属分析における考え方・分析法と分析事例 −品質管理,クレーム処理,製品開発等へ向けて−
 No.22 高周波誘導加熱によるTi-Al系金属間化合物の燃焼合成コーティング

金属分析分野メンバー ページTOP
 
氏名 役職 技術分野
塚原 秀和 科長補佐(工博) 鉄鋼材料分析、放電加工技術
  (炭素鋼・低合金鋼・鋳鉄・レアアース材料のOES及びICP分析など)
 上田 順弘  主任研究員(工博)  表面硬化処理、非鉄材料分析技術
  (銅・アルミニウム・亜鉛合金のOES及びICP分析、GDS分析、X線回折など)
山内 尚彦 主任研究員(工博) 金属分析技術、プラズマ表面処理技術
  (蛍光X線分析、X線回折、アルミニウム・亜鉛合金のOES及びICP分析など)
岡本 明 主任研究員(工博) 鉄鋼材料分析、非鉄材料分析、燃焼合成技術
  (高合金鋼・ステンレス鋼・鋳鉄・亜鉛・銅合金のOES及びICP分析、X線回折など)
榮川 元雄 主任研究員(工博) 鉄鋼材料分析、プラズマ浸炭・窒化処理技術
  (炭素鋼・低合金鋼・高合金鋼・ステンレス鋼のOESおよびICP分析など)


インターネット技術相談はhttp://tri-osaka.jp/tri24c.htmlまでどうぞ。
 金属表面処理科/大阪府立産業技術総合研究所