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腐食 | corrosion | 金属がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象。 |
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さび | rust | 普通には、鉄表面に生成する水酸化物または酸化物を主体とする化合物。広義には、金属表面にできる腐食生成物をいう。腐食生成物の項参照。 |
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耐食性 | corrosion resistance | 金属が腐食に耐える性質。 |
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防食 | corrosion prevention,corrosion protection | 金属が腐食するのを防止すること。 |
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防せい(錆) | rust prevention | 金属に錆が発生するのを防止すること。 |
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さび止め | rust prevention | 防せいと同義語。 |
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一時防せい | temporary rust prevention | 作業工程、保管、輸送中などにおける短期間の防せい。 |
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アノード | anode | 電流が電極から電解質に向かって流れ、酸化反応が行われる電極。陽極ともいう。 |
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カソード | cathode | 電流が電解質から電極に向かって流れ、還元反応が行われる電極。陰極ともいう。 |
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標準電位列 | electromotive force series | 金属の標準電極電位を、その大きさの順位並べ、金属のイオン化傾向及び一部の非金属元素の電気化学的酸化反応傾向の大きさの順を示した列。電気化学列ともいう。 |
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腐食電位 | corrosion potential | 腐食している金属の照合電極に対する電位。自然状態における腐食電位を自然電位ともいう。それを大きさの順に並べた物を腐食電位列という。 |
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防食電位 | protective potentia | l電気防食において、腐食を停止させるために必要な電位の値。 |
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防食電流密度 | protective current density | 金属の電位を防食電位に維持するために要する単位面積当たりの電流。 |
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分極 | polarization | 金属と電解質溶液との間に出入りする電流によって金属の電位に変化が生じる現象。 |
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分極抵抗 | polarization resistance | 分極における電位の変化分を電流の変化分で除した値。JIS H 0530参照。 |
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照合電極 | reference electrode | 電極電位の一定した電極で、金属の電位はこの電位との電位差で表す。水素電極、カロメル電極、塩化銀電極、硫酸銅電極などがある。基準電極ともいう。 |
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局部電池 | local cell | 金属側又は環境側の不均一性が原因となって、金属表面に局部的に形成された腐食電池。 |
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マクロ腐食電池 | macro-galvanic cell | アノードとカソードがはっきりと区別できる程度の大きさをもち、その位置が固定されている腐食電池をいい、異種金属接触腐食電池、通気差電池などがこれに属する。 |
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通気差腐食 | differential aeration corrosion | 溶存酸素濃度の差異によって生じた電池による腐食。 |
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活性態 | active state | 金属が環境物質と自由に反応して溶解する状態。 |
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不活性態 | immunity,inactive state | ある金属の電位を十分に卑にした場合、腐食が起こらない状態。 |
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不動態 | passive state | 標準電位列で卑な金属であるにもかかわらず、電気化学的に貴な金属であるような挙動を示す状態。 |
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湿食 | wet corrosion | 液体状の水が存在するために起こる金属の腐食。 |
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乾食 | dry corrosion | 液体状の水の作用を受けることなく、腐食性の気体と反応して生じる金属の腐食。 |
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腐食度 | corrosion rate | ある期間に生じた単位面積当たりの腐食量をその期間で除して求められる値。 |
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腐食しろ | corrosion margin | 金属製品が、使用中の腐食によって失われることをあらかじめ想定して、その分だけ増しておく厚さ。 |
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大気腐食 | atmospheric corrosion | 大気中で起きる金属の腐食。 |
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土壌腐食 | soil corrosion | 土壌中で起きる金属の腐食。 |
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均一腐食 | uniform corrosion | 金属表面にほぼ均一に生じる腐食。全面腐食ともいう。 |
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局部腐食 | local corrosion | 金属表面の腐食が均一でなく、局部的に集中して生じる腐食。 |
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孔食 | pitting corrosion | 金属内部に向かって孔状に進行する局部腐食。 |
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脱成分腐食 | dealloying | 特定の合金成分が選択的に溶解する腐食。黄銅から亜鉛が溶解する場合を脱亜鉛腐食(dezincification)という。 |
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すき間腐食 | crevice corrosion | 金属又は金属と他の材料との間にすき間が存在する場合、すき間の内外においてイオン、酸素などの濃淡電池が構成されて生じる腐食。 |
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濃淡電池腐食 | concentration cell corrosion | 金属表面に接触する水溶液中のイオンや溶存酸素の濃度が局部的に異なるために生じた電池による腐食。 |
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異種金属接触腐食 | bimetallic corrosion,galvanic corrosion | 異種金属が直接接続されて、両者間に電池が構成された時に生じる腐食。ガルバニック腐食ともいう。 |
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糸状腐食(いとじょうふしょく) | filiform corrosion | 主に塗料又は油脂などで被覆した金属表面に、糸状に進行する腐食。 |
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微生物腐食 | microbiologically inducede corrosion(MIC) | 土中又は水中に生息する微生物によって促進される腐食。 |
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迷走電流腐食 | stray current corrosion | 正規の回路以外のところを流れる電流によって生じる腐食。 |
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フレッティング腐食 | fretting corrosion | 空気中で金属とそれに接触する金属又は他の物質との接触面で微小滑りが繰り返し起こるとき、金属表面に生じる腐食。さっ(擦)過腐食ともいう。 |
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粒界腐食 | intergranular corrosion | 金属材料の結晶粒界に選択的に生じる腐食。 |
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電食 | stray current corrosion | 迷走電流腐食と同義語。 |
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応力腐食割れ | stress corrosion cracking | 腐食と引張応力との相乗作用によって金属材料に割れを生じる現象。 |
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腐食疲労 | corrosion fatigue | |
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エロージョン・コロージョン | erosion-corrosion | 流動する水、土砂などの環境物質の摩耗作用と腐食作用の相乗作用によって金属に生じる損耗。 |
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キャビテーション損傷 | cavitation damage | 金属表面でこれに接触する液体の圧力の繰返し変動によって気泡の発生、崩壊が起こることによって金属に生じる損傷。 |
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水素ぜい(脆)化 | hydrogen embrittlement | 腐食、酸洗い、電解、溶接などによって生じた水素が金属中に吸蔵されて、材質がもろくなる現象。遅れ破壊ともいう。 |
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水素侵食 | hydrogen attack | 高温・高圧の水素に接する金属材料に水素が侵入して機械的に性質が劣化する現象。 |
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アルカリぜい化 | caustic embrittlement | か性アルカリの存在下で生じる鉄鋼などの応力腐食割れ。 |
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腐食生成物 | corrosion product | 腐食によって生成した物質。通常は固体物質を指し、金属表面に付着するか又は環境中に分散して存在する。 |
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さびこぶ | tubercle | 鉄鋼の表面に生じるこぶ状の腐食生成物。 |
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ミルスケール | mill scale | 鋼材の製造過程において高温に加熱されるとき、空気中の酸素と反応して生成し付着している酸化物被膜。 |
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緑青(ろくしょう) | patina | 銅又は銅合金上に生じる緑色の腐食生成物。 |
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油焼け | oil staining | 油を塗布した金属表面に、比較的広い面積でしみ状の油じみ又はオイルステインと呼ばれる変色部分が発生する現象及び変色部分の状態。 |
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白亜化(はくあか) | chalking | 塗膜の劣化の一種。塗膜表面が粉末状になる現象。 |
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ふくれ | blister | 金属中又は皮膜下にガス、液体又は腐食生成物が蓄積して、局部的にふくれる現象。 |
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ピンホール | pinhole | 皮膜を貫いて、素地や下地まで達している微細孔。 |
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人工海水 | artificial seawater | 海水とほぼ同じ化学組成に、人工的に調製した塩類水溶液。 |
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露点 | dewpoint | 水蒸気を含む空気やガスを冷却するとき、その水蒸気圧が飽和水蒸気圧と等しくなる温度。この温度以下になると水蒸気は液化する。 |
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結露 | dew formation | 露点以下の温度で水蒸気が凝縮すること。 |
2001 | 清浄 | cleaning | 金属表面の汚れを、必要な程度にまで除去した状態、若しくはそのような状態にすること。 |
2002 | 洗浄 | cleaning | 液体で洗って金属表面から油脂その他の汚れを除去すること。 |
2003 | 脱脂 | degreasing | 金属表面に付着している油脂性の汚れを除去して清浄にすること。 |
2004 | 化学的洗浄 | chemical cleaning | 金属表面に化学薬品を使用して清浄にすること。 |
2005 | 機械的清浄 | mechanical cleaning | 金属表面に生じたさびなどを、ブラスト、バレル研磨、グラインダー研磨などの機械的方法で除去すること。 |
2006 | 石油系溶剤洗浄 | petroleum wiping cleaning | 金属表面に石油系溶剤を用いて清浄にすること。 |
2007 | 布ぶき清浄 | solvent wiping cleaning | 金属表面の汚れを、溶剤を含ませたきれいな布で拭いて清浄にすること。 |
2008 | ブラシ掛け洗浄 | brush cleaning | 金属表面を、溶剤又は脱脂剤液中に浸しながらブラシでこすって清浄にすること。 |
2009 | 二段階洗浄 | two stage cleaning | 金属表面に付着している油脂類の汚れを、溶剤を用いて清浄にする場合に、第一洗浄槽で下洗いし、次いで第二洗浄槽で仕上げ洗いをすること。 |
2010 | 汗・指紋除去清浄 | perspiration and finger print removal | 金属製品を、指紋除去形さび止め油又はメタノールなどの指紋除去剤中に浸せきするか、それらをしみ込ませたきれいな布で拭き取って清浄にすること。 |
2011 | 乳剤洗浄 | emulsion cleaning | 金属製品の汚れを、乳剤クリーナー中に浸すか、又は、乳剤クリーナーを吹き付けて清浄にすること。 |
2012 | スプレー洗浄 | spray cleaning | 金属表面に清浄剤を吹き付けて清浄にすること。 |
2013 | アルカリ洗浄 | alkali cleaning | 金属製品を、アルカリ脱脂剤を加えた水溶液中に浸すか、又は同水溶液を吹き付けて清浄にすること。 |
2014 | りん酸洗浄 | phosphoric acid cleaning | 酸洗い又は酸浸せきの一種で、金属製品をりん酸水溶液で清浄にすること。 |
2015 | 蒸気清浄 | steam cleaning | 金属製品に、熱水蒸気又は清浄剤を加えた熱水蒸気を吹き付けて清浄にすること。 |
2016 | 蒸気脱脂 | vapor degreasing | 安定剤を含むハロゲン化炭化水素系溶剤の蒸気雰囲気中にさらし、凝集させて、金属製品の表面に付着している油脂類を除去して清浄にすること。 |
2017 | 電解洗浄 | electrolytic cleaning | 清浄液中で、金属製品を電極として電解し、清浄力を高めて清浄にすること。製品をアノードにした場合をアノード洗浄、カソードにした場合をカソード洗浄といい、カソード洗浄とアノード洗浄を交互に繰り返して行う方法をPR電解洗浄という。 |
2018 | 超音波洗浄 | ultrasonic cleaning | 金属製品を清浄にする場合に、液中で超音波によって起こるキャビテーション現象を応用し、清浄力を高めて清浄にすること。清浄液としてはハロゲン化炭化水素系溶剤、石油系溶剤、アルカリ脱脂水溶液、乳剤クリーナーなどを用いる。 |
2019 | 塩浴清浄 | salt bath cleaning | 水酸化ナトリウムなどに酸化剤を添加した溶融塩浴中に金属製品を浸し、強固なさび、スケールを除去して清浄にすること。特に熱処理を併用する目的に用いる。 |
2020 | 火炎清浄 | flame cleaning | 金属製品の表面に高温の火炎を吹き付け、ミルスケール、さびなどを浮き上がらせた後、ワイヤーブラシでこすって表面を清浄にすること。 |
2021 | デスケーリング | descaling | 金属表面のスケールを、機械的又は化学的な方法によって除去すること。 |
2022 | 酸洗い | acid pickling | 金属製品のミルスケール又は厚いさび槽を除去するため、比較的長い時間、酸水溶液中に浸して清浄にすること。 |
2023 | 酸浸せき | acid dipping | 金属製品を、酸の水溶液に短時間浸せきして軽度のさびを除去すること。 |
2024 | ブラスト処理 | blasting | 金属製品に防せい防食を目的として塗料などを被覆する場合に、素地調整のために行われる。研削材に大きな運動エネルギーを与えて金属表面に衝突させ、金属表面を細かく切削及び打撃することによってさび、スケールなどの付着物を除去して金属表面を清浄化又は粗面化させる方法。 |
2025 | 液体ホーニング | liquid honing | 微粒の研磨材を加えた水又はそれに腐食抑制剤を加えた物を金属表面に吹き付けて清浄にすると同時に、均一ななし地面仕上げをすること。 |
2026 | バレル研磨 | barrel polishing | 鋳造品、鍛造品又は打抜品などの小形の製品や半製品を、研磨助剤やけい砂などの研磨材と一緒に容器に満たして回転又は振動し、プレスや鋳造のばり、鍛造のスケールなどを除去して清浄にすること。回転研磨又はタンブリングともいう。 |
3001 | 脱脂剤 | degreasing agent | 脱脂に用いる薬品を良い、一般には有機油剤、アルカリ性脱脂剤、乳剤クリーナー又は酸性脱脂剤を使用する。クリーナーともいう。 |
3002 | 乳剤クリーナー | emulsion cleaner | 石油系溶剤と水を、乳化剤で乳化して作った脱脂剤。 |
3003 | 乳化性溶剤 | emulsifying solvent | 石油系溶剤に乳化剤を加えたもの。金属の清浄の際に、まずこの液に浸し、次いで、水に浸してすすぐか、又は水を吹き付ける。 |
3004 | 腐食抑制剤 | corrosion inhibitor | 金属のさび又は腐食を抑制する性質を持った薬剤の総称。インヒビター、防食剤ともいう。 |
3005 | 酸洗い抑制剤 | acid pickling inhibitor | 酸洗いをして金属面のさび層やスケールを除去するとき、酸による素地の溶解を抑制するために酸洗い液中に添加する物質。 |
3006 | さび止め油 | rust preventive oil | 腐食抑制剤を、主として石油系基剤を添加したもので、金属の大気腐食の一時的防止を主目的として用いるもの。JIS K 2246参照。防せい油ともいう。 |
3007 | 溶剤希釈形さび止め油 | solvent cutback type rust preventive oil | 腐食抑制剤を含む揮発性成分を有機溶剤に溶解又は分散させた油。金属表面に塗りつけた後、溶剤が揮発してさび止め皮膜を形成する。硬質膜、軟質膜、水置換性軟質膜などの種類がある。 |
3008 | ペトロラタム形さび止め油 | petrolatum type rust preventive oil | 常温で半固状のペトロラタムなどを基剤とするさび止め油。 |
3009 | ペトロラタム系防食テープ | petrolatum tapes for corrosion protection | 鉄鋼の防食に用いるペトロラタムを含浸させた防食テープ。JIS Z 1902参照。 |
3010 | 潤滑油形さび止め油 | lubricating oil type rust preventive oil | 石油の潤滑油留分を基剤とする油状のさび止め油。 |
3011 | 指紋除去形さび止め油 | finger print remover type rust preventive oil | 金属表面に付着している指紋を除去する性能を持つさび止め油。 |
3012 | さび止めグリース | rust preventive grease | 腐食抑制剤を添加した潤滑グリース。 |
3013 | 気化性さび止め剤 | volatile corrosion inhibitor(VCI) | 常温で気化する性質を持つ金属の腐食抑制剤。気化性防せい剤ともいう。 |
3014 | 気化性さび止め紙 | VCI treated paper | 気化性さび止め剤を塗布又は含浸した包装紙。 |
3015 | 気化性さび止め油 | VCI oil | 気化性さび止め剤を含むさび止め油。 |
3016 | 可はく性プラスチック | strippable plastics | さび止め又は機械的損傷防止のために、製品の表面に皮膜を形成させ、必要に応じて簡単にはぎ取ることができるプラスチック。 |
3017 | 防湿材 | moisture-proof material | 防湿包装に用いる透明度の低い包装材料。 |
3018 | 防水材 | water-proof material | 防水包装に用いる包装材料で、一般には水蒸気の透過は大きいが、液状の水は透過しにくいような材料。 |
3019 | 耐油性バリヤー材 | grease-proof barrier material | さび止め油を塗布した金属製品の上包みに用いる柔軟で腐食性のない耐油性の包装材料。 |
3020 | 乾燥剤 | desiccant | さび止めの目的で、包装内部の湿度を低下させるために用いる薬剤。 |
3021 | 湿度指示剤 | humidity indicator | 防湿包装内の湿度の多少を変色によって検知する塩化コバルトなどの薬剤。 |
3022 | プライマー | primer | 塗料を塗り重ねて塗膜層を作るとき、耐食性と付着性とを増すために素地に直接塗る塗料。 |
3023 | エッチングプライマー | etching primer | 成分の一部が素地の金属と反応して化学的生成物を作り、素地に対する塗膜の付着性を増すことを目的としたプライマー。 |
3024 | さび止め顔料 | rust preventive pigment,rust inhibitive pigment | 金属にさびが発生するのを防止する機能を持つ塗料用顔料。 |
3025 | さび止めペイント | rust resisting paint,high performance coating | 鉄鋼のさび止め塗装に用いる塗料。さび止め顔料と塗膜形成要素との相互作用で、さび止め効果を現すものと、塗膜形成要素自体のさび止め効果によるものとがある。 |
3026 | 重防食塗装 | heavy duty coating,high performance coating | 海岸や海上のような腐食性の激しい環境に建設される鋼構造ぶつの塗り替え周期を長くするため防食性、耐久性を有する防食塗装をいう。一般にジンクリッチペイントをプライマーとして、エポキシ樹脂、ふっ素樹脂塗料などを組み合わせて用いる。 |
3027 | ショッププライマー | shop primer | 鋼材をブラスト処理し、本塗装に先立って、ブラスト直後に塗装する塗料。 |
3028 | ジンクリッチペイント | zinc rich paint | 乾燥塗膜の大部分が金属亜鉛末から成り、わずかの無機質と有機質のバインダーで結合された塗料で鋼材のさび止めに用いる塗料。 |
3029 | 流電陽極 | galvanic anode | 流電陽極方式の電気防食法で使用される陽極で、犠牲陽極(sacrificial anode)ともいう。 |
3030 | 絶縁継手 | insulated joint | 防食の対象となる地下埋蔵金属構造物と対象外構造物とを電気的に絶縁するために境界部に設けられる継手。 |
3031 | バックフィル | backfill | 地下埋蔵金属構造物に電気防食法を適用する場合、アノードの接地抵抗を下げ、流電陽極の溶解を容易にするためにアノードの周囲に充てんする物質。 |
4001 | 素地調整 | surface preparation | 塗料の付着性及び防せい効果をよくするために、機械的又は化学的に被塗装物体表面を処理し、塗装に適するような状態にすること。ケレンともいう。 |
4002 | 防せい包装 | corrosion (rust) preventive packaging | 金属製品のさび発生を防止するための包装。 |
4003 | 防湿包装 | moisture-proof packaging | 防湿包装材料で密閉して、外部から侵入する水蒸気のために生じる弊害から防ぐ包装。乾燥剤を併用して内部に残存する水蒸気、防湿剤を透過してくる水蒸気を吸収させたり、減圧して内部の水蒸気を空気とともに除去したりすることもある。 |
4004 | 電気めっき | electroplating | めっき浴中で電気分解によって、表面に金属を析出させる表面処理方法。 |
4005 | 化学めっき | chemical plating, electroless plating | 金属塩水溶液にめっきしようとするものを浸して、外部電源を用いずに還元剤の作用によってめっきする表面処理方法。無電解めっきともいう。 |
4006 | 溶融めっき | hot dipping | めっきしようとする物を溶融した金属の中に浸して、表面に金属被膜を作る表面処理法法。 |
4007 | 拡散浸透法 | diffusion coating,cementation | 高温で金属体表面から内部へ拡散現象によって元素をしみ込ませ表面を改質する方法。 |
4008 | 陽極酸化法 | anodic oxidation coating,anodizing | 金属をアノードとし、電解質水溶液の電気分解によって表面に酸化物被膜を生成させる表面処理方法。 |
4009 | 化成処理 | chemical conversion coating | 化学的処理によって金属表面に安定な化合物を生成させる表面処理方法。りん酸塩処理・黒染め処理・クロメート処理などがある。 |
4010 | りん酸塩処理 | phosphating | りん酸及び可溶性りん酸塩を主体とする水溶液で金属を処理し、その表面に不溶性のりん酸塩皮膜を作る表面処理法法。 |
4011 | クロメート処理 | chromating | クロム酸又は二クロム酸塩を主成分とする溶液で金属を処理して防せい皮膜を作る表面処理方法。 |
4012 | 金属溶射 | metal spraying | ガス、アーク、プラズマなどによって金属を加熱溶融させ、これを高速で金属の表面に吹き付けて皮膜を作る表面処理法法。 |
4013 | クラッド | cladding | 二種類以上の金属をはり合わせること。 |
4014 | ライニング | lining | 金属の表面を飽食するため、その表面に、他の複合材料を比較的厚く被覆すること。金属・無機物質などを溶射、焼き付け、はり合わせなどで被覆する無機質ライニングと、有機物質を流動浸せき、溶射、塗布、はり合わせなどで被覆する有機質ライニングとがある。 |
4015 | セラミックコーティング | ceramic coating | 酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、けい酸ジルコニウム、酸化クロムなどを溶融噴射などの方法によって、金属表面にセラミックの被覆をする表面処理。 |
4016 | 電気防食 | cathodic protection | 流電陽極又は外部電源を用いて金属体をカソードとして通電し、腐食を防止すること。カソード防食ともいう。特殊な場合として、防食する金属体をアノードとするアノード防食(anodic protection)もある。 |
4017 | 外部電源方式 | impressed current system | 外部電源によって陽極材料から防食電流を被防食金属に供給するカソード防食法。陽極を地下数十m深く埋設して地下埋設構造物に防食電流を供給する方法を深埋め陽極工法(deep groundbed system)という。 |
4018 | 流電陽極方式 | galvanic anode system | 被防食金属に、これより卑な金属を接続して防食電流を供給するカソード防食法。 |
4019 | 排流法 | electric drainage | 迷走電流が流入している金属構造物から瞑そう電流を排流して腐食を防止する防食法。 |
4020 | 石灰質析出物 | calcareous deposit | 海水や硬水から金属表面に析出した、主として炭酸カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる析出物。カソード防食法を適用することによるカソード表面上の析出沈積物。電解被覆ともいう。 |
5001 | 塩水噴霧試験 | salt spray test | 試験槽内に試験片を置いて、塩化ナトリウム水溶液を霧状にして吹き込み、金属材料の耐食性、被覆材料などの防食性を調べる試験。 |
5002 | 促進耐候試験 | accelerated weathering test | 人工光源から発する光と断続的な人工降雨を与える装置を用い、試験片の腐食、さび、劣化などの状態を調べる試験。 |
5003 | 屋外暴露試験 | outdoor exposure test | 試験片を、一定期間屋外にさらして、自然環境での腐食、さび、劣化などの状態を調べる試験。大気暴露試験、耐候性試験ともいう。 |
5004 | 格納貯蔵試験 | shed storage exposure test | 試験片を、水槽を備えた百葉箱中に放置して、腐食、さび、劣化などの状態を調べる試験。 |
5005 | 湿潤試験 | humidity cabinet test | 高湿度に調整した恒温装置内に試験片を入れて、湿潤状態に保ち、腐食、さび、劣化などの状態を調べる試験。JIS K 2246[5.34(湿潤試験方法)]参照。 |
5006 | 浸せき試験 | immersion test | 試験片を塩化ナトリウムなどの所定の溶液中に浸せきし、金属の腐食や被覆物の劣化などの状態を調べる試験。 |
5007 | 複合サイクル試験 | combined cyclic corrosion test | 腐食環境条件の組み合わせを変化させたものを1サイクルとしてこれを繰り返し行い、試験片の腐食や被覆の劣化などの状態を調べる試験。 |
5008 | キャス試験 | CASS test | 塩水噴霧試験に用いる塩化ナトリウム水溶液に、少量の酢酸及び塩化銅(U)を添加し、腐食性を高めた試験。 |
5009 | コロードコート試験 | corrodkote test | 腐食溶液を含んだ人工の泥をめっき表面に塗りつけ、これを恒温恒湿の装置内に放置して、主として電気めっきの耐食性を調べる促進試験。 |
5010 | 気化性さび止め性試験 | vapor inhibitor ability (VIA) test | 気化性さび止め剤、気化性さび止め紙、気化性さび止め油の気相状態での鉄鋼のさび発生防止効果を調べる試験。 |
5011 | 接触さび止め性試験 | corrosion preventive ability contact in test | 気化性さび止め紙で金属を密着包装したとき、そのさび発生防止効果を調べる試験。 |
5012 | 接触腐食性試験 | contact corrosivity test | VCIが鉄鋼に接触した状態で、その腐食性を調べる試験。 |
5013 | 静水滴試験 | static water drop test | 規定の装置、条件のもとで、さび止め油に浸した試験片のくぼみに水滴を1滴入れ、さびの発生の有無を調べる試験。 |
5014 | 水置換性試験 | water displacement test | さび止め油が、金属表面に付着している水と置き換わって、さびを防止する性質を調べる試験。 |
5015 | 有孔度試験 | porosity test | めっき層のピンホール、大きさ及び数を調べる試験。 |
5016 | 指紋除去性試験 | finger print removability test | 指紋によるさびの発生を防止する目的で、指紋除去形さび止め油を塗りつけ又は浸して、それが金属製品に付着した指紋を除去する性質を調べる試験。 |
last updated 29th May. 1998
Tsutomu Morikawa
Technology Research Institute of Osaka Prefecture