研究開発例(応用光学)

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委託による高度受託研究や、共同実施を行う企業共同研究、競争的外部資金による研究をはじめとする、各種研究開発を行っております。これまでに実施しました(実施中も含む)研究開発例をご紹介します。

キーワード:立体ディスプレイ、ホログラフィ、形状計測、計測光学、画像光学、計算光学、回折計算、フーリエ変換、分光測色
超広視域ホログラフィック3次元ディスプレイ
地球の北半球の再生例※1
最も自然で理想的な立体表示技術として、ホログラフィック3Dディスプレイが注目されています。 ただ、ホログラムを表示するデバイスの性能(解像度やサイズ)が不十分であるため、立体像が観測可能な範囲(視域)が狭いという課題があります。 視域が狭ければ、両眼視差や運動視差をほとんど感じることができないため、「立体再生でありながら立体的に感じられない」という、 一見矛盾した状態が生じております。そこで弊所では、視域を拡大する手法に取り組んでおります。

具体的には、高速応答可能な空間光変調器を用いた時空間分割多重方式により、水平方向の視域を拡大しました※1。 ミラーを高速に回転し、その回転角に応じたホログラムを表示することで、360°どこからでも立体像が観測可能です。

他にも、凸型放物面鏡の反射特性を活用した、全方向観測可能なシステムも提案しております※2。水平方向だけでなく、垂直方向にも広い視域が得られるのが特徴です。

※1:Y. Sando, D. Barada, and T. Yatagai, Appl. Opt. 57, pp. 7622-7626 (2018).

※2:Y. Sando, K. Satoh, T. Kitagawa, M. Kawamura, D. Barada, and T. Yatagai, Sci. Rep. 8, 11333 (2018).

レーザー自動水準器の性能向上
試作した2号機の概観※1
鉛直点を指示する計器として糸に錘を取り付けた下げ振りが、現場では使用されています。しかし、錘が静止するのを待つ必要がある、取り付けに時間がかかる、風の影響を強く受けるなどの観点から、 レーザー自動水準器の需要も高まっております。

弊所では、レーザー自動水準器の性能向上を目指し、各種開発を共同で行っております※1

※1:平成29年度公募型共同開発事業

回折光学素子の設計・作製・性能評価

作製した微細光学素子の写真。
(a):回折格子、(b):像再生
微細光学素子は光を自由に制御することができるため、機能的デバイスの実現に必要不可欠です。また、光はサブµ mオーダーの波長を有するため、 様々な高精度計測にも広く活用されており、光学素子の果たす役割は年々大きくなってきています。

しかし、複雑な機能を実現するためには設計も複雑になり、また、試作・検証が重要なのは言うまでもありません。 弊所では、微細な回折光学素子の設計・作製・検証を一貫して実施することができます。

その他
・縞投影による物体の立体形状計測装置の開発
・面発光デバイスの輝度分布の評価と対策
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