FFT、フーリエ変換

 FFTは、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)の略です。

 フーリエ変換とは、フランスの数学者であるフーリエ(1768〜1830)が発見した定理であるフーリエ積分を利用した、時間領域(波形)と周波数領域(波形)の変換公式です。フーリエ変換を行うことにより、解析したい音・振動の波形が、どのような周波数と振幅を持つ波形の合成で成り立っているかを知ること(スペクトル分析)ができます。

 「すべての周期関数は三角関数の和で記述できる」というフーリエ級数を、周期を無限大と考えて拡張し、すべての関数に用いることができるようにしたものがフーリエ積分です。

 このフーリエ積分を、波形の時間関数x(t)に対して行うと、周波数関数X(f)が導き出されます。これがフーリエ変換です。逆に、周波数関数X(f)に対して行うと、時間関数x(t)が導き出されます。これをフーリエ逆変換と呼んでいます。

 このフーリエ変換を、デジタルの世界に持ち込んだものを離散的フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)と言いますが、その演算を行うのに非常に時間が掛かりました。1965年に米国ベル研究所のクーリーとチューキーが、この演算時間を飛躍的に短縮する(約1/200)解法を発見しました。これが高速フーリエ変換(FFT)です。

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