振動加速度レベル、振動レベル

 振動の大きさは、加速度([G]、[Gal]、[m/s2])、速度([m/s])、変位([m])などで表されます。この内の加速度について、一般に人間が全身で感知できるとされている周波数範囲(1〜80Hz)の値を、対数表示したものが振動加速度レベル(VAL:Vibration Acceleration Level)です。

 測定した振動加速度の実効値を、基準値:10-5m/s2で除した値の20倍をいい、単位はdB(デシベル)です。

 [dB]

a:
a0

測定した振動加速度の実効値 [m/s2]
基準振動加速度 10-5m/s2

 これに対して振動レベル(VL:Vibration Level)は、測定した振動加速度の実効値に対して、周波数補正を行った値を、基準値:10-5m/s2で除した値の20倍をいい、単位は同じくdB(デシベル)です。

 ここで用いた周波数補正は、別名「振動感覚補正」と呼ばれており、人間の振動に対する感じ方を考慮した特性となっています。この補正は周波数や振動の方向(鉛直方向か水平方向)によって異なっています。(一般に人間は、水平方向よりも鉛直方向の方が振動に対する感度が高い)

 [dB]

a:
a0

振動感覚補正を行った振動加速度の実効値 [m/s2]
基準振動加速度 10-5m/s2

 つまり、生データが振動加速度レベルであり、それに人間の感じ方を加味した値が振動レベルということになります。逆に言うと、Flat特性(平たん特性)のときの振動レベルが、振動加速度レベルであると言えます。

 振動感覚補正の詳しい方法などは、「JIS C 1510 振動レベル計」を参照してください。

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