研究業務

実用化あるいは製品化等、出口を見据えた基盤的研究はもちろん、ものづくり企業や大学と連携しながらのサポイン事業や企業共同研究等も積極的におこなっています。

当部で保有している技術シーズにご興味がある場合、あるいは、製品開発に関するニーズがありましたら、ぜひお問い合わせください。

金属分析・表面改質研究室

金属分析・表面改質研究室では、金属の分析技術、ろう付技術、溶射、ドライコーティング、窒化・浸炭処理による表面改質の研究を行っています。

ステンレス鋼溶射皮膜の低温プラズマ窒化処理

オーステナイト系ステンレス鋼の溶射皮膜における、低温プラズマ窒化処理を用いた耐摩耗性および耐腐食性の特性改善について、研究を進めています。窒素が過飽和に固溶した拡張オーステナイト相を溶射皮膜の表面に形成するため、窒素の拡散機構および固溶体の生成機構を解明するとともに、各種の特性評価を行うことで、皮膜特性の高性能化を目指しています。

成果報告:Adachi et al., J. Therm. Spray Technol., 24, 1399-1407, 2015.


微細な保油構造を有した塑性加工金型用硬質膜

塑性加工用金型の長寿命化に対しては、PVD法などによる耐摩耗性に優れた硬質膜のコーティングと潤滑油塗布の併用が大きな効果を挙げています。しかしながら、環境問題の観点から、潤滑油の使用量低減が重要課題となっております。

私たちの研究室では、ドライコーティングと湿式めっきの複合処理により、優れた保油効果を示す微細構造を付与したPVD硬質膜を作製し、その金型特性に関する研究を実施しています。

成果報告:小畠, 表面技術, 67, 440-446, 2016.


真空アーク蒸着法による窒化ホウ素膜の形成

立方晶窒化ホウ素(c-BN)は、ダイヤモンドに次ぐ高い硬さと優れた耐酸化性を示し、鉄系材料との反応性が低いという特性も併せ持っています。このため、c-BNの焼結体は鉄系材料の切削工具として既に実用化されていますが、c-BNコーティング工具は未だ実現していません。

私たちの研究室では、応用材料化学研究部と協力して、独自に開発したターゲットを用いた真空アーク蒸着法によるc-BN膜の成膜技術に関する研究を実施しています。

成果報告:三浦、小畠、他, 天田財団 助成研究成果報告書 , 29, 2016.


UBMスパッタ法による金属ガラス膜の構造制御

金属ガラスは、金属元素を主成分とした非晶質合金であり、加熱して過冷却液体にすることで、ナノスケールレベルでの高精度成形が可能です。この金属ガラス薄膜は、ナノインプリントやMEMS分野への応用が期待されています。

私たちの研究室では、アンバランスドマグネトロン(UBM)スパッタ法のイオンアシスト効果により金属ガラス膜の局所的な構造を制御することで、優れた成形能を持つ金属ガラス膜の創製を目指すとともに、得られた膜特性の物性評価を実施しています。

成果報告:Kobata et al., Materials & Design, 111, 271-278, 2016.


ステンレス鋼に対するプラズマ窒化・浸炭処理

ステンレス鋼は耐食性に優れた鋼であり、化学プラントの配管や反応容器から一般家庭の食器にいたるまで幅広い用途に用いられています。ステンレス鋼には、フェライト系、オーステナイト系、マルテンサイト系など多くの鋼種が開発されています。一般的にステンレス鋼の耐食性と表面硬度・耐摩耗性などはトレードオフの関係にあるため、これらの特性をより高いレベルで両立させる技術が求められています。プラズマ窒化処理およびプラズマ浸炭処理は鉄鋼の表面に窒素や炭素を浸透させる表面改質法の一種であり、当研究室ではこの技術を用いたステンレス鋼の特性の向上に取り組んでいます。

成果報告:榮川、上田, 大阪府立産業技術総合研究所報告, No.29,(2015), pp.45-48.


金属材料中のppmオーダー微量元素の分析

昨今、金属材料の高性能化にともない、微量含有成分の評価が重要になっています。微量含有成分の分析の際、問題となるのは主成分の金属元素です。その影響を除去するために、溶媒抽出、蒸留、固層分離など、様々な手法を用いて目的元素を高精度に分析するための研究に取り組んでいます。

成果報告:塚原, 大阪府立産業技術総合研究所報告, No.30,(2016), pp.9-13.


ろう付技術の高度化

ろう付は重要な金属接合技術としてバルブなどの気密部品や熱交換器などの配管部材を中心に幅広く用いられています。汎用的なろう付プロセスの改善・改良に加えて、新規ろう材およびそれを用いたろう付技術の開発や、異種金属のろう付といった高度なろう付技術の開発も必要となってきています。

当研究室では、難易度の高い鉄鋼とアルミニウムの異材ろう付技術の開発とその実用化を目指しています。また、ろう付技術の研究開発を行うための試作、共同研究にも対応しています。

表面化学研究室

めっき分野

めっき分野では、工業用材料への適用を目指して、機械的性質に優れためっき皮膜を中心に研究開発を実施しています。一例として、硬質クロムめっきを超える新規硬質皮膜としてCr-C合金めっき皮膜の開発を進めているほか、環境に配慮しためっきプロセスの開発にも取り組んでいます。

また、企業との共同研究も積極的に実施しています。種々の目的に応じてめっき皮膜の高機能化に関する研究を実施し、その成果を還元することによりめっき関連企業の課題解決に貢献しています。


腐食防食分野

腐食防食分野では、企業との共同研究や高度受託研究を中心に、他の研究機関では対応できない防錆防食技術の研究開発を行っています。例えば、ステンレス鋼の不動態化処理や電解研磨に関する研究開発、溶融亜鉛めっきに関する新技術開発、防錆油の防錆メカニズムに関する研究や、気化性防錆剤を用いた防錆技術に関する研究に取り組んでいます。

また、近年社会問題化している鉄筋コンクリート中の鉄筋腐食に関する研究などについても、大学と共同研究を進めています。


電池技術分野

電池技術分野では、今後大きな発展が期待される次世代電池の研究を実施し、将来の電池産業におけるニーズに幅広く応える基盤技術開発を進めています。

研究事例1:アルカリ亜鉛電池用セパレータの開発(企業との共同研究)

ハイドロゲルセパレータを
用いた金属空気二次電池(試作)

アルカリ亜鉛二次電池は次世代蓄電池の候補として、世界中で研究開発が進められています。一方、その実用化にはデンドライト(針状結晶)生成による内部短絡など、解決すべき課題が多く残されています。

我々は、導電性の高いハイドロゲルシートをアルカリ亜鉛二次電池のセパレータに適用することで、デンドライト生成を大幅に抑制し、アルカリ亜鉛二次電池のサイクル特性を向上させることに成功しました。

成果報告:Saito et al., Electrochemistry, accepted.

研究事例2:電解処理法による白金ナノ粒子の作製

電解処理法を用いて
形状制御した白金ナノ粒子

白金ナノ粒子は高い触媒活性を有しており、燃料電池などの触媒としての期待が高まっています。また、実用化に向けて低コストな製造技術が要求されています。

我々は、電解処理法(電析法)を用いた白金ナノ粒子の合成技術を確立し、その形態制御や合金化に取り組んでいます。本手法は原料の白金基材と希酸のみで構成されており、低コスト化・廃棄物の低減が可能です。

成果報告:Nishimura et al., Electrochim. Acta, 129, 152-159, 2014.

過去に実施した研究テーマ名

平成28年度

特別研究

基盤研究

共同研究・受託研究

公募型共同開発事業


平成27年度

特別研究

産技研プロジェクト研究

発展研究

基盤研究

共同研究・受託研究

公募型共同開発事業


平成26年度

特別研究

産技研プロジェクト研究

発展研究

基盤研究

共同研究・受託研究

公募型共同開発事業