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□第63回繊維応用技術研究会

開催日時 : 平成29年11月16日(金) 10時~1730

会   場: ホテルアウィーナ大阪 3F信貴の間

プログラム        

10:0511:05 武庫川女子大学    古濱 裕樹

演題:天然染料を研究することについての私見

概要:私が天然染料を研究することになった学生時代のきっかけと、これまで行ってきた研究から藍の赤色色素インジルビンについて、および真に環境に優しい天然染料染色について述べる。天然染料の概略を簡潔にまとめ、最近の世の中における研究・開発動向も紹介する。そのうえで現在の私の研究「天然染料色彩データベース」の紹介、および今後の展望に触れ、天然染料研究の現代的意義を考えてみたい。

11:0512:05 椙山女学園大学   〇桑原里実、上甲恭平

演題:毛髪のねじり特性評価法

概要:毛髪にハリ・コシ感などの毛髪の硬さややわらかさをコントロールすることは消費者に要望される作用であり、それは頭髪化粧品に重要な機能の一つになっている。本来、ハリ・コシ感ややわらかさは、毛髪一本の曲げ応力、ねじり応力の物理特性が影響を及ぼしていると言われている。そこで、毛束を構成する毛髪一本毎のねじり物性を測定し、得られた測定値から毛束としてのねじり物性変化について検討した結果について報告する。

13:1014:10 株式会社ナフィアス 渡邊 圭

演題:ナノファイバー素材「NafiaS」の開発および大学発材料系ベンチャーとしての取組み

概要:ナノファイバー素材「NafiaS(ナフィアス)」の技術開発から製品化・事業化への取組みに関して、信州大学繊維学部発の繊維材料系ベンチャーとしての創業から現在(3年目)に至るまでの経緯を紹介する。技術面に関しては、NafiaSの基盤技術であるエレクトロスピニング法の特徴や応用方法、用途展開を中心に解説を行う。事業化面に関しては、具体的な開発事例をもとに、本大学発材料系ベンチャーに求められる社会的役割に関して述べる。

14:1015:10 群馬県繊維工業試験場  近藤 康人

演題:繊維の高機能化研究におけるゼータ電位測定

概要:当試験場では、顕微鏡電気泳動法による微生物などのゼータ電位測定と繊維表面のゼータ電位測定を用いて繊維製品に新たな機能を付与する研究を行っている。特に繊維表面を正に帯電させることで、負に帯電している微生物やウイルスを濃縮する技術を開発している。最近の研究で、ダニアレルゲンや種々の抗体が負に帯電していることが明らかになり、繊維表面に保持させることにより、健康・医療分野の繊維製品を開発している。本講演では、ゼータ電位測定の基礎ならびに、これらを応用した研究開発について紹介する。

15:2516:25 花王株式会社   門田圭司

演題:直接染料を用いたヘアカラーリング剤のメカニズムと最新トピックス

概要:近年、ヘアカラーリング剤市場では、直接染料を用いた様々の製品が発売され、新たな提案も生まれている。直接染料系は、酸化染料系に比べダメージがほとんどない、染める前から色が分かるなどの特徴がある。本発表では、この直接染料を用いたヘアカラーリング剤の技術とメカニズムについて、酸化染毛剤との比較を交えて説明する。さらに最新のトピックとして、褪色した髪色のケアという新しい提案についても紹介する。

 16:2517:25 NPO法人 ぐんまテクノサポーターズ   瀧上 昭治

演題:フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)によるブリーチ・パーマ処理毛髪の分析

概要:赤外線(IR)を物質に照射すると、IRの振動数と同じ振動数で振動している分子は、IRを吸収し分子運動が活発化する。従って、物質を透過あるいは反射した赤外光(IRスペクトル)を測定すれば、化学構造や状態のみならず官能基の定量分析も行える。近年、FT-IR光度計の進歩と、操作性に優れるATR法の開発によりIR測定は複雑な前処理を要さない簡便な分析手法となった。ここでは、FT-IRATR法を解説後、ATR法で測定したブリーチ・パーマ処理による毛髪ダメージやパーマ処理におよぼす還元剤の効果を紹介する。

 ※講師の先生方の敬称略

  


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