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□第57回繊維応用技術研究会
催日時 : 平成27年11月24日(火)、10時~17時30分
会 場: ホテルアウィーナ大阪 4F信貴の間
①
10:05~11:05 椙山女学園大学 生活科学部 生活環境デザイン学科 上甲
恭平
演題:羊毛・毛髪への染料粒子の浸透はどのように捉えればいいのか!!
概要:羊毛繊維の染料浸透メカニズムについては,染色に携わる研究者や技術者が多かった時代では興味ある課題として活発に議論されてきたが,最近では話題に上ぼることも少なくなってきた.一方,美容業界では,染毛部門は重要な位置を占めており,染毛に携わる研究・技術者にとっては毛髪への染料の浸透挙動は関心事の一つである.しかし,多くの人々が嘗ての羊毛技術者のように染色現象および理論を十分に理解しているかとなると少し疑わしい.本講演では,これまでに明らかにされてきた羊毛・毛髪への染料の浸透挙動を細胞組織学的アプローチ,平衡染色論的アプローチ,染色速度論的アプローチに分けて整理してみたので紹介する.
② 11:05~12:05 日本羊毛産業協会 長澤
則夫
演題:繊維製品のエコマーク認定基準の見直しについて
概要:このほど繊維製品のエコマーク認定基準が改定された。これまでPETボトルから繊維製品へのリサイクルを中心として推進されてきたが、近年の業界動向、ニーズ、技術などを踏まえて見直しを行った。
今回は故繊維から繊維製品へのリサイクルを誘導することに力点を置くとともに、羊毛や植物由来合成繊維なども対象に加えた。特に羊毛ではクロム染料を用いた製品でも認定される可能性が高まった。この改定の経緯について解説を行う。
[大学発、繊維最先端研究シリーズ]
③
13:15~14:15 信州大学繊維学部 玉田
靖
演題:シルク材料のメディカル応用
概要:最近、先端材料としてのシルク利用研究が活発化しており、特に、外科用縫合糸としての実績から、生体親和性が高い材料としてメディカル分野での使用を指向した研究が増加している。本講演では、メディカル材料としての利用から見たシルクについて、その安全性や機能性についての概説と、われわれが進めているシルクスポンジ材料を利用した新しい軟骨再生治療システム開発についての研究例についてご紹介する。
④
14:15~15:15 元大阪府立産業技術総合研究所 奥村章
演題:正倉院の毛製宝物の材質を調べる
概要:平成21~24年の秋の正倉院開封期間中に、特別材質調査の調査員として、毛製宝物の筆、伎楽面、毛氈、褥芯等、麈尾、鞆、馬具、伎楽衣装の合計117点について、毛材質を調べました。講演では、正倉院宝物の保存の秘密、特別材質調査の実際、毛材質調査結果、花氈の文様技法などについて紹介します。多くの宝物ではスケール模様や毛髄質の走査電子顕微鏡による形態学的観察や軟X線透視画像に基づき新たな知見が得られました。
[ヘアケア技術シリーズ]
② 15:25~16:25 花王株式会社
ヘアケア研究所 鐵 真希男
演題:ヘアケア商品、シャンプー/コンディショナーの技術と最近の動向について
概要:市販シャンプー/コンディショナー製品の求められる機能、役割と主な配合原料について概説する。さらに、最近のトピックスとして、洗髪に関する消費者行動の実態ならびに、製品に応用されている頭髪の速乾技術について紹介する。
演題:欧州REACH規則とBPR規則の最新の状況
概要:欧州委員会の2001年の白書「今後の化学品管理政策のためのREACHシステム」発表以降、制定された安全、環境に関する規則の内、REACH(化学品の登録、評価、認可)、CLP(分類、表示、包装)、BPR(殺生物性製品)について、最新の状況を紹介する。