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□第56回繊維応用技術研究会
開催日時 : 平成27年7月9日(木)、10時~17時30分
会 場: ホテルアウィーナ大阪 4F金剛の間
参加者数:48名
①
10:30~11:35
椙山女学園大学 生活科学部 生活環境デザイン学科 上甲
恭平
演題:毛髪の新規パーマネントセット法 ―
水素結合の重要性と-SS-結合の役割
―
概要:毛髪のパーマネントセット法として,これまで多くの技法が提案・応用されてきている.これらの方法はいずれも-SS-結合の開裂後に形状をセットするものである.新技法はこれまでの技法とは異なり水素結合の組み替えによる一次セット形状を最大限に生かし,-SS-結合の切断を最小限に止めたダメージレスな技法である.本講演では,新技法によるセット例を解説するとともに,パーマネントセントにおける水素結合の重要性および-SS-結合の役割について述べる.
[ヘアケア技術シリーズ]
②
12:45~13:50 花王株式会社
ヘアケア研究所 高橋俊江
演題:毛髪の加齢変化とアンチエイジング技術
概要:ヒト毛髪キューティクルのダメージには2パターンあり、その内のエンドキューティクルが壊れるタイプ(タイプE)は40代以降増加する。日常のストレスによるキューティクルの摩耗はタイプEのレベルと相関する事を見出した。タンパク質S100A3はエンドキューティクルに偏在し、毛包中でシトルリン化されてカルシウム結合能が変化する事が知られている。キューティクルの加齢変化とそれに対するS100A3の関与について紹介する。
[大学発、繊維最先端研究シリーズ]
③
13:50~14:55
信州大学繊維学部 後藤康夫
演題:異種材料との複合による繊維の機能化
概要:繊維の高機能化・高性能化は、繊維製品に新たな価値を付加する重要な課題である。本講演では、湿式紡糸やヨウ素処理等を利用し、
無機・金属材料やナノマテリアルを繊維基材に導入した複合繊維の作製に関する私たちの取り組みを紹介する。
④
15:15~16:20
長瀬産業株式会社 山田竜二
演題:最近のデジタル捺染について ~DENATEXプリントシステム~
概要:サイングラフィック業界ではインクジェット方式によるデジタルファブリケーションは成功している。しかし、未来の捺染の姿と言われて久しい「デジタル捺染」は普及しつつあるものの、成功しているとは言えない状況である。「デジタル捺染」が抱えている課題を説明し、少しでもデジタル捺染の普及に繋がるべく弊社社が開発した「DENATEX」を紹介する。
⑤
16:20~17:25
一般財団法人
ボーケン品質評価機構 坂井史治
演題:繊維製品の機能性評価試験について
概要:輸入品が繊維製品の約90%を占めるという状況のなか、国内メーカーは高機能性繊 維により海外品との差別化を図っており、各社から種々機能素材が上市されています。吸汗速乾素材や吸湿発熱素材、衛生関係では抗菌防臭素材、消臭素材をはじめ近年では抗ウィルス素材等が各社にて開発・販売されています。このような機能性繊維の表示に当たっては機能性の効果に対する客観的な裏付けデータが必要となります。その代表的な機能性評価試験について紹介します。