平成22年度研究報告概要

 

[題 目]車載固定抵抗器の高性能・高生産性化に資するテーラードストリップ製造技術の開発

[期 間]H.22.8.2~H.24.3.31

[担当者]金属材料:平田智丈、田中 努、森重大樹

[成果の概要]抵抗器用長尺テーラードストリップの製造技術開発のため、抵抗材料と電極材料の摩擦攪拌接合性を評価した。種々のツール材質・形状を選択し、任意の接合条件にて接合を試みた。条件最適化により、抵抗材料と電極材料の摩擦攪拌接合が可能であることが確認できたが、長尺の接合においては攪拌が不安定になる場合があり、接合が困難になることがわかった。したがって今後は、安定した長距離接合が達成できるよう、ツール回転数・移動速度以外の条件にも注目し、連続的に安定した接合技術の確立を目指す。

 

[題 目]微細ナノ粒子および粒界性格分布に注目した摩擦攪拌接合材の異常粒成長抑制機構の解明

[期 間]H.20.4.1~H.23.3.31

[担当者]金属材料系 平田智丈、田中 努、森重大樹

[成果の概要]摩擦攪拌接合材における接合部の組織形成に及ぼす合金元素の影響を調査した。母材の積層欠陥エネルギーを減少させる元素の添加によって、結晶粒が微細化することがわかった。本研究成果を総括すると、極微量な第2 相粒子または不純物の存在、あるいは積層欠陥エネルギーを変化させる元素の添加は、結晶粒の形成メカニズムに大きく影響を及ぼすことがわかった。これらの知見を活用し、摩擦攪拌接合材に最適な合金設計を行うことで、異常粒成長の抑制にも期待でき、摩擦攪拌接合の社会的信頼も向上すると考えられる。

 

[題 目]摩擦攪拌接合による鋼と高強度アルミニウム合金接合材のプレス成形性

[期 間]H.21.12.1~H.24.3.31

[担当者]金属材料:田中 努、平田智丈、小栗泰造、森重大樹

加工成形:萩野秀樹、白川信彦

[成果の概要]鋼とアルミニウムの接合材において、母材の金属学的組織や機械的性質の違いによって成形性が異なることが予測される。そこで、亜鉛めっき鋼板と、強度の異なる3種類のアルミニウム(1100、5052、5182)を用いて、鋼と種々のアルミニウム接合材、種類の異なるアルミニウム同士の接合材の限界絞り比をもとめた。母材のランクフォード値や引張強度に着目して調査したところ、ランクフォード値と絞り比には関連性はみられなかったが、接合材の引張強度比が大きくなるに従い限界絞り比が低くなることが明らかになった。

 

[題 目]回折型ビーム整形素子を用いたレーザ合金化技術の開発

[期 間]H.22.1.18~H.24.3.31

[担当者]加工成形:萩野秀樹、山口拓人

金属材料:武村 守

[成果の概要]これまでに(1)炭素粉末で得られた合金層の摩耗試験、(2)回折型光学素子の設計(3)炭素と合金元素の混合粉末によるレーザ合金化実験と評価を行った。(1)については、合金化による耐摩耗性の向上を確認した。(2)については、レーザ焼入れ時の温度解析を行い、その結果に基づいて素子を設計した。(3)については、5種類の元素を用いて合金化を行い、通常の焼入れよりも硬い合金層を得ることができた。また、合金層中に空孔が発生することや組織が不均一であるといった課題が明らかになった。